Our Column

言葉を空間上で捉える①

言葉を空間上で捉える①

クライアントの皆様からZENSINの映像は、納得と共感が味わえる、短い尺なのに感動する。
というありがたいお言葉をいただくことがあります。本当にありがとうございます。

どうやって作っているの?という質問も多数受けましたので、ZENSINの制作論について一部書いてみたいと思います。
せっかくですので今回は映像要素の中でも、最もみなさんに身近な要素である、
ナレーションやセリフ、つまり「言葉」をテーマにお伝えしたいと思います。

ZENSINの映像における言葉の作り方ですが、
基本的にあらゆる概念を肯定的なものに昇華させきった上で、ナレーションやセリフに落としてます。

しかしそれは、単に否定的な言葉を使用しない、やんわりとした言葉を使うということではなく、
あくまで情感や思考が滞ってしまわないような言葉を選び、繋いでいくということになります。

その為には、日本語の文法の理解も大切ですが、
より根源的なものである、言葉の1つ1つが持っている固有の空間性を理解していく必要があります。

ここで1つ例を取ります。「間違い」という言葉があります。
この言葉は否定的な意味を感じますよね。

しかし印象は一旦置いておいて、
この間違いという文字に冷静に着目してみると「間が違う」と書いてありますよね。
間とは、空間であり、距離であり、時間ですよね。

格闘技や居合いなどをイメージ頂ければわかりやすいでしょうか。

間が違うとは、
空間違いであれば、格闘技の試合会場を別の場所と勘違いしていた。
距離違いであれば、パンチを打ったが、当たる距離ではなかった。
時間違いであれば、相手のガードがなくなったタイミングでパンチを打てず、ガードされた。
といえるのではないでしょうか。

つまり、間違いとは、実は本人の実力や気質よりも、
任意の対象や環境との関係性の部分に、何らかの想定外のことが起きているといえるのではないでしょうか。

しかし言い換えれば、本人の前提を全て肯定した目線に立つと、
本人は何らかの前提(固有の世界観)においては、全て正しかった可能性さえもあるともいえます。

このように、普段は言葉の組み合わせによって意味を描出する文章などがありますが、
実は言葉の単語自体が持っている固有の空間性というものがあるわけです。

他にも、「失敗」という言葉があります。
こちらは空間性の中でも前後関係に着目して考察してみましょう。

失敗するには、その前に意図が必要ですよね。そして意図があるということは、その前段に意思がありますよね。
つまり、失敗とは、何らかの意図がありながらも、現状はまだその通りの状況までは辿り着いていないだけだったりします。
したがって失敗とは、本人の感情的なものを除けば、プロセス進行中を意味します。

いかがでしょうか。失敗という言葉も空間的に捉えていくと、ニュートラルに受け取ることができるようになってくるので、
言葉を受け取る側の私たちの解釈もすっと入りこめるようになるので、逆になんだかポジティブな意味さえも感じてきませんか?

このように1つ1つの言葉には、独自に固有の空間性を持っていたり、
周囲との連続的な関係性によってたゆたうように存在していたります。

これらのことを理解した上で言葉に落としていくことによって、多くを語らずに、伝えたいことを伝えることができます。
また、すっきりした映像に仕上がるので、視聴者の皆さんがこちらの意図を理解頂きながら自由に感じていただけるのかなと思います。

「納得と共感が味わえる。短い尺なのに感動する。」

まさにですね。大変光栄で的確な感想です。

それではまた。

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