Our Column

心と視覚について

心と視覚について

ZENSIN代表は、心と視覚及びその間にあるであろう認識(感性、感情含め)に対して、
物心がついたころから興味がありました。

日常生活において、基本的には、不可視領域から何らかの情報が現れてきて(温度の変化など)、
どこかのタイミングで感覚器官を通じて何らかの感知が行われ(暑い寒いなど)、
可視領域、つまり物理的な領域において何らかの反応や行動を取る(エアコンをつけるなど)というのが、
いわゆる普段の自然な流れの動作かと思います。

しかしながら私は、可視領域を意図的に操作することで、感覚器官と不可視領域に対して
何らかの影響ないしは変容を与えることができるのではないだろうかと考えました。
今思うとかなり中二病な好奇心ですが、、、。笑

私が高校生だったころに行っていた実験があります。
実家住まいだった頃は、朝起きると、2階から降りてトイレにいったあとに朝ご飯を食べるというルーティンがありました。
そこでこの一連の動作を主観目線にてカメラで収録して、ヘッドマウンドディスプレイ(以降はHMDと表記)にその動画を仕込み、
寝起き合わせで、主観映像が再生されるという仕組みを作りました。
そして私は、この映像をどこまで現実と思いこみ続けることができるかという実験をするために、
毎夜、HMDを装着して眠るという生活をつづけました。

そして実験を何度か行ったものの、最初はベッドから起きあがろうとしている時(再生5秒後前後)には、
これは現実ではなく映像だと気づいてしまいました。その際に課題として感じた点は主に以下2点です。

①画面の解像度(現実との差異)
②身体のズレ(現実との差異)

①については、当時SD画質(当時はフルHDの4分の1程度のサイズ)時代だったので、画面解像度には手出しはできなかったのですが、
②については、身体とのズレをなくせばどこまでいけるのか、研究できる余白が残されていました。

そこで今度は、寝起きにあわせて、まんま寝て起きた時に見えている天井の映像を流してみました。
するとこの状態では、10秒程度現実だと思い込むことができました。
身体のズレがなかったことがこの長時間を達成させたと思うのですが、
この場合は、どうしても動かない分、映像をじっくり見てしまい、画面解像度の観点から気づいてしまう印象を受けました。

そこで、現状の課題を改めてまとめると下記となりました。

①カメラが動かないと画面解像度の差分により気づいてしまう
②カメラが動くと身体との差分で気づいてしまう。

上記、普通に考えたら手詰まりだと思われたので、
クリエイティブに考えて下記のような仮説を立てました。

「体を起こす、階段を下りるなど、何らかの複雑な動きを実行しようとすると、身体感覚の整合性を精彩に取ろうとするのではないか。
一方、身体を動かさない場合は、視覚の解像度が増して、HMDの画面解像度が現実よりも低いことに気づいてしまうのではないか。
とすれば、2つの解像度の一方ないしは両者が、極端に高度なものが要求されない環境設定が実現できれば、
動きがあったとしても長時間の没入が可能になるのではないか?」

ようは触覚解像度、視覚解像度、この2つの解像度がもっともゆるい環境を維持できれば、
移動しても最大で10秒程度もつのではないかと考えたわけです。

であれば、ゆっくり歩いているだけといった映像であれば、動いても差し支えないのではないのではないかと思われました。
そこで、部屋で既に立っていて、なるべくまっすぐ歩くようにして階段のところまで歩くという映像を寝起きに流してみました。
すると、正味8秒程度でしょうか、階段を数段降りるところまで現実だと思ってみていることができました。

そこで今度は、ビデオカメラに棒を取り付けて、あたかも2Mほど高い空中を歩いているように見える映像を収録して再度実験をしてみました。
すると寝起きにおける現実世界との差分を感じ取って、これは現実ではないなと内心うっすら気づきましたが、
これはこれで楽しいなと10秒程度、空中散歩をを楽しむことができました。

この成功体験ですっかり味をしめた私は、大学生になってからは、
視覚情報と身体と意識の関係性を解き明かそうとさらに色々な実験をしていくことになるのですが、
こちらはまた機会があれば書いてみたいと思います。

それではまた。

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