インタビュー第3話の解説(後編)
インタビュー第三回目の解説(後編)になります。
■人間には笑いが必須
チャレンジする上で第一原理の理解が何よりも重要と先ほど書かせて頂きました。
しかしながらZENSINは、実はそれではまだチャレンジに対する必須因子が出揃っていないと考えます。
基礎を徹底することで、確かに成功確率は飛躍的に高まります。
しかしイノベーションにチャレンジするわけですから、当然失敗はつきものとなるわけです。
イノベーションの方法を例にすれば、何かと何かを組み合わせるという行為を無作為に行った場合、
成功確率は1/1000000程度とすれば、基礎を徹底すれば1/1000程度まで絞り込めるといえばイメージしやすいでしょうか。
現実的な確率に持ち込めているとはいえ、それなりの悪戦苦闘になることは目に見えてます。
そこで大事なのが、ZENSINとしては笑いだと考えます。
ZENSINが注目する学者の1人に、デイブグロスマンという元軍人の大学教授がいます。
彼は戦場における心理学を開拓した方です。著書の一説に、2つの印象的な話があります。
①エリート小隊ほど絶望的な状況になると、生存確率が低くなりやすい。
②小隊の中にユーモアに長けた兵士がいると、いない状況に比べて生存確率が飛躍的に高まる。
前者に関しては、エリートゆえに論理的に考えて、生きて帰れるはずがないということがわかってしまうわけです。
後者に関しては、定期的にユーモアが入ることで、論理上から算出される結論が固定化してしまうことを防いでくれます。
兵士A 「マジかよ。オレら囲まれてない?」
兵士B 「あ、本当だ。まーでも死んだら死んだで戦争終わるじゃん。なんでもよくね?笑」
兵士C 「…確かに笑 だったら最後までやりきってみようぜ」
といった具合です。
少々過激な学問を例として出しましたが、実はこれは戦場に限らずビジネス上にもあてはまります。
チーム内において、コンテクストが高いからこそ、思考がパターン化してしまったり、集団確証バイアスにハマってしまうことがあります。
それに対して、定期的に笑いが入ることで、ざっくばらんに話しやすくなることで思考の幅が広がったり、
ブレークスルーをもたらす機会を創出したり、メンバー全体の士気を鼓舞したりすることができます。
したがってZENSINも、第一原理や類推なども大切にしていますが、
何かチャレンジする以上は、いずれにせよ最初からうまくいくはずがないので、何よりも笑いを大切にしていたりします。
■個性は消せば消すほどにじみでるもの
こちらのテーマは、前述のイーロンマスク氏の第一原理についてのお話でも間接的に触れているので
既に何となくイメージもついた方も多いのではないかと思います。
類推よりも第一原理を優先するという考え方をあてはめれば、
personalityはidentityからの派生物であり、identityはgeneからの派生物であり、geneは…といった具合です。
もちろん事象の源流にいくほどにVUCAになっていくわけですから、どこまでもキリのない領域です。
しかしながら表面上の個性、例えば技術研鑽という方向だけではなく、
第一原理の探究という方向にも思考の舵を切れるようにしておくと、
結果的に手段も含めて研ぎ澄まされていくのかもしれませんね。
例えばですが、日々、技術研鑽のを行っているにも関わらず、
なぜか品質がある一定の水準から上がらなくなってしまった経験はありませんでしょうか?
この現象はビジネス用語におけるPDCAという言葉で説明するとわかりやすいです。
PDCAは一般的にはこのように言われています。
「PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)とは品質管理など業務管理における継続的な改善方法。
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(確認)→ Act(改善)の4段階を繰り返して業務を継続的に改善する方法」
PDCAのサイクルの中で、D→C→Aと入った段階で、以降はPもサイクルの中にあるとはいえ、
PはDCAがPの通りに進んでいるかどうかの確認という役割が大きくなりますので、P自体を根本から見直すことは非常に難しくなります。
その結果、DCAサイクルが主体となりますので、スタートの時点でPが20点満点Planだったとすれば、
PDCAを必死にサイクルさせたとしても、奇跡が起きて25点くらいでしょうし、ほとんどは20点未満になるはずです。
これが品質の壁の正体といえるかもしれません。
しかし一体、Pに重きを置くにはどうしたらいいのか。
いきなりPを強く意識しようとしても、今まで意識できなかったことをいきなり意識することは不可能ですよね。
ZENSINもこのPを意識することは、はじめはとても苦労しました。笑
そこでPの意識や理解のために行ったこととしては、
DCAを担っているCGやグラフィックなどの装飾要素を極力排除し、簡易的な編集だけでPを表現してみるという訓練をしました。
すると徐々に何度も行う中で、プラン、コンセプト、クリエイティビティ自体の品質が見えてくるようになったのです。
これにより、Pとは何か? PにとってDCAとは何か?という理解が深まり、
結果的に手段であったDCAも、シンプルで効果的なやり方を構築していくことができました。
ですので元のテーマに戻しますと、個性は消せば消すほど伝わるものというものは、
根源の理解が進むほどに表面上のこだわりは消えていきますが、
自己理解が深まることで結果的にDCAも含めて研ぎ澄まされていくので、
より深い個性が目に見えた形で出てくるのかもしれませんね。
そして深い個性は本質的なものになるでしょうから、
映像制作においても、色んな人たちに共感いただけるような内容に仕上がりやすくなるのかもしれません。
長々と書いてしまいましたが、第三回にわたったインタビューの解説は以上になります。
インタビューで振って頂いたテーマは、ZENSINとしてはどれもが繋がって連携しあっているため、
解説コラムにおいても、同じようなことを書いてしまったり、矛盾している点なども出てしまったかもしれません。
乱筆、乱文にお付き合い頂きまして本当にありがとうございました。
次回以降は1テーマに絞ってコラムを書かせて頂きます。それではまた。
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